マネーしたくなるお金のハナシ
お金のことはもちろん、ライフプランに合わせた資産運用の方法や保険の選び方などをアドバイスするプロのFP(ファイナンシャルプランナー)。このコンテンツは、さまざまな目標や悩みを抱える北海道の「リアル」なお金ビギナーが、「こんな初歩の初歩から聞いていいの?」と思える質問をぶつけて、FPからやさし〜く答えてもらうやり取りの実録です。
社会人の語学留学っていくらくらいかかるの?
- 【今回の登場人物】
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- 久保田恒央さん
- 将来設計士®、FP(ファイナンシャルプランナー)、トータルライフコンサルタント。4人のお子さんを持つ超絶やさしいお父さん。お弁当づくりも上手。
- ハルコ
- 札幌市在住の30代前半女子。独身。デザイン会社勤務。お金のハナシや資産運用に興味はあるものの、何から始めれば良いのかわからず、結局何もできない日々。友人の紹介からFP久保田さんと知り合いに。
社会人からの学び直しで、ステップアップを。
前回は姉の教育資金に関する悩みについてFPの久保田さんに相談したハルコ。そのお礼も兼ねて久保田さんを訪ね、他愛もない雑談を交わしていたところ、ハルコは自身のステップアップのために学び直しを視野に入れていると切り出しました。
ハルコ:久保田さん、先日はありがとうございました。教わった教育資金のことを姉に教えてあげたら、すごく喜んでいました。私自身も何気なく教育ローンについて調べているうちに、ふと社会人になってから学び直すことはできるのかなと思うようになったんです。
久保田さん:なるほど。最近は「リスキリング」も話題に挙がることが多くなりましたし、社会人からの学び直しを考える人も増えているかもしれませんね。
ハルコ:周りの友人は、例えばマーケティングを学んで別の部署に移動したり、転職に伴って資格を取得していたりします。実は、学生時代からもともと語学にも興味があって、英語を身につけられたらデザインの仕事にも幅が出るような気がしているんです。最近では海外展開を見据えた商品パッケージも多く見かけますし、語学スキルがあると自分もステップアップしやすいのかなと思っています。久保田さんのお客さんで社会人になってから語学留学する方っていらっしゃいますか?
久保田さん:スキルアップや資格取得のために、働きながら学び直す人も増えていますよね。実は、ちょうど社会人留学を考えている方の相談に乗っているところです。海外留学のプランニングやサポートを行う組織の代表ともコンタクトを取っていて、最近の事情を聞きましたよ。
ハルコ:本当ですか!?ぜひ、知っておきたいです!
短期留学は50〜80万円、長期は100〜300万円が目安。
久保田さん:まず、留学には2〜3カ月の短期留学と、半年以上の長期留学があり、いずれもビザの関係から現地では働けないと考えておいたほうが良いでしょう。
ハルコ:そうなんですね…よく聞くワーキングホリデーはダメなんでしょうか?
久保田さん:ワーキングホリデーは18〜30歳の年齢制限を設けているケースが大半で、協定国も限られています。
ハルコ:30歳まで…私の場合はすでに30歳を超えているので対象外なんですね。
久保田さん:ハルコさんは行き先や期間のイメージはついていますか?
ハルコ:う〜ん…まだ現実的に考えていたわけではないので、漠然と語学メインで半年くらかなぁ。
久保田さん:ちなみに短期留学は学生さんが利用することが多く、語学の勉強とアクティビティをどちらも満喫するケースが一般的。社会人でも長期休暇を活用する方もいます。一方、ハルコさんがイメージしている期間の長期留学は、語学をしっかりと学ぶのが柱。短期・長期留学いずれも、カナダやオーストラリアといった国が人気のようですね。
ハルコ:ふむふむ。ところで、留学の費用ってどれくらいを考えておけば良いんですか?
久保田さん:行き先となる国や目的によってさまざまですが、短期留学の場合は50〜80万円、長期留学になると100〜300万円が目安です。
※留学費用の目安は一般社団法人国際教育連盟からの情報(取材当日:2023年2月27日現在)を参照しています。また、費用は期間、国、国際通貨レート、内容によって異なります。
ハルコ:予想はしていましたが、やはり高額ですよね…。
久保田さん:会社の就業規則によっては難しいかもしれませんが、一定の語学力がある場合は海外での有給インターンシップにチャレンジするのも良いかもしれません。収入を得ながら長期滞在ができるので、最近かなり注目されている留学プログラムです。現地でビジネスやホスピタリティ、児童英語教授法などの資格を取得する人もいますよ。ただし、費用自体は、やはり100〜300万円を見ておいたほうが良いでしょう。
ハルコ:費用はかかるものの、画期的なプログラムですね!
久保田さん:次回は、その費用に関して、どのように工面すべきか、例えば金融機関の力を借りることはできるかなど、お金の話に入りますよ。