マネーしたくなるお金のハナシ

お金のことはもちろん、ライフプランに合わせた資産運用の方法や保険の選び方などをアドバイスするプロのFP(ファイナンシャルプランナー)。このコンテンツは、さまざまな目標や悩みを抱える北海道の「リアル」なお金ビギナーが、「こんな初歩の初歩から聞いていいの?」と思える質問をぶつけて、FPからやさし〜く答えてもらうやり取りの実録です。

教育資金はどう貯めたら良いの?

【今回の登場人物】
久保田恒央さん
将来設計士®、FP(ファイナンシャルプランナー)、トータルライフコンサルタント。4人のお子さんを持つ超絶やさしいお父さん。お弁当づくりも上手。
ハルコ
札幌市在住の30代前半女子。独身。デザイン会社勤務。お金のハナシや資産運用に興味はあるものの、何から始めれば良いのかわからず、結局何もできない日々。友人の紹介からFP久保田さんと知り合いに。

つみたてNISAやジュニアNISAも選択肢の一つ。

姪っ子の大学進学の資金について悩む姉と話したことで、教育費について興味が湧いてきたハルコ。前回はFPの久保田さんに教育費の総額と、「児童手当+月々の貯金」で子どもが18歳までに600万円ほど貯めることを目標にすると良いというアドバイスをもらいました。今回、ハルコは「貯金以外の準備の仕方」について尋ねてみることに。

ハルコ:久保田さん、前回は教育費の総額、さらに児童手当を活用したお金の貯め方を教えてくれてありがとうございました。

久保田さん:いえいえ、ハルコさんとお姉さんに少しでも役に立てるとうれしいですよ。

ハルコ:ふと思い出したんですが、姉と話した時に「教育ローン」とか「学資保険」というワードも飛び出しました。貯金以外にも教育資金を準備する方法ってあるんですか?

久保田さん:ふむふむ、良い質問ですね。まず、学資保険(子どもの教育資金の準備を目的とした貯蓄型の保険)について解説しましょう。かつては、金融機関で貯金するよりも予定利率(運用によって将来得ることができる利益を予測し、これを数値化したもの)が高かった…簡単にいえば利息が多かったこともあって、15〜20年の長期にわたって加入するメリットが大きかったんですね。

ハルコ:かつては予定利率が高かった…ということは現在は違うんですか?

久保田さん:その通りです。今の日本は超低金利の時代といわれ、金融機関に貯金するのも、学資保険に加入するのも、さほど大きな変わりがなく、それだけでお金を増やすことは難しいのが現状です。

ハルコ:そうなんですか…じゃあ、姉もシンプルに貯金するのが近道なんですね。

久保田さん:ただ、最近では私のところに相談者の中にも、つみたてNISAやジュニアNISA(子どもの将来に向けた資産形成をサポートするために導入された非課税制度)で教育資金を積み立てる方が増えています。

ハルコ:なるほど!教育資金の準備にも資産運用を生かせるんですね。

久保田さん:つみたてNISAやジュニアNISAの投資信託商品は、国が定めた一定の条件を満たしたものの中から選ぶことになります。多くはリスクの高くないものとはいえ、良い時もそうじゃない時もあることは忘れてはいけません。とはいえ、教育資金を準備する方法の一つとしては人気が高まっています。

※ジュニアNISAの投資可能期間は2023年までとなります。

教育資金の不足分には教育ローンを活用!

ハルコ:姉が話していた教育ローンは、どういった時に利用するのが良いんでしょう?

久保田さん:例えば、大学進学のための資金をコツコツと積み立てていたとしても、お子さんの夢が医師や薬剤師だった場合、医学部や薬学部を志望するかもしれません。こうした学部は在籍年数が長くなる分、授業料も高くなります。「教育資金を貯めていたけれど不足しそう」という時に教育ローンは強い味方になるでしょう。また、ひとり親家庭などの方を対象とした教育ローンもあるようです。

北海道ろうきんでは、ひとり親家庭(母子家庭、父子家庭)などの方が、より低金利で利用できる「特別教育ローン(福祉型教育ローン)」もご用意しています。詳しくはこちらをご覧ください。

ハルコ:確かに姪っ子も医学系の学部を目指していると聞いたような!教育ローンって、どんなものがあるんですか?

久保田さん:日本政策金融公庫が用意しているいわゆる国の教育ローンと、民間の金融機関の教育ローンの大きく2つに分かれます。前者は公的な機関だけあって金利が低い分、世帯年収やお子さんの人数によってお金を借りられないケースもあるんです。後者も前年年収や勤続年数などの事前審査はあるものの、広く門戸が開かれているイメージでしょうか。

北海道ろうきんは安心金利で幅広い使い道の教育ローンをご用意。詳しくはこちらをご覧ください。

ハルコ:ちなみに、よく耳にする奨学金とは違うんですか?

久保田さん:教育ローンは保護者が借りて保護者が返済するのに対し、奨学金はお子さんが返済しなければなりません。ただし、最近は成績に応じた給付型(返済しなくて良い)奨学金もあります。こうした奨学金を活用するのも一つの手ですし、お子さんにとっては勉強を頑張るモチベーションになるかもしれませんね。

ハルコ:給付型の奨学金というのもあるんですね。姪っ子の成績はどうなんだろう(笑)。

久保田さん:いずれにしても、お子さんが18歳になるまでに600万円程度を準備しておき、進路によって不足しそうな場合は教育ローンを活用するというのがオススメです。

ハルコ:ありがとうございます!姉にも有益な情報をたくさん聞くことができました。さっそく伝えてみます!

久保田 恒央氏

記事監修 久保田 恒央氏

将来設計士®、ファイナンシャルプランナー、トータルライフコンサルタント、FP事務所株式会社3way(スリーウェイ)代表
1970年富良野生まれ旭川育ち。15年以上前から札幌市内各ハウスメーカー、マンション販売会社のFP相談担当。現在、FP事務所、株式会社3wayと不動産事業おうちカンパニーを運営し、保険代理店、株式会社ホロスプランニング(生命保険、損害保険33社取扱)と提携。今まで1000件以上のご家庭のライフプラン(教育費、住居費、生活費など)に基づいた家計見直しと生活提案が好評。