マイカーローンの返済、どう考えればいいの？

【今回の登場人物】

久保田恒央さん

将来設計士®、FP（ファイナンシャルプランナー）、トータルライフコンサルタント。4人のお子さんを持つ超絶やさしいお父さん。お弁当づくりも上手。

ハルコ

札幌市在住の30代前半女子。独身。デザイン会社勤務。お金のハナシや資産運用に興味はあるものの、何から始めれば良いのかわからず、結局何もできない日々。友人の紹介からFP久保田さんと知り合いに。

ライフステージと日々のゆとりを見据えた返済期間を。

前回はマイカーローンの基本的な情報や固定金利・変動金利の違い、多種多彩な商品の中からチェックするポイントなどを教わったハルコ。今回は、FPの久保田さんからマイカーローンを利用する際、どんなことを念頭に置いて返し方を決めるべきかアドバイスをもらうことになりました。

ハルコ：金融機関のホームページでローン返済シミュレーションをしようと思っても、いくらに設定するべきか、返済期間をどれくらいにするか迷っちゃいます。

久保田さん：今回、ハルコさんがほしいクルマは120万円でしたね。そもそも全額でマイカーローンを組むのか、手元の現金を頭金として活用するかによっても異なるでしょう。そのため、使っても良いお金がどれくらいあるのか、これから先に大きな買い物をするかどうかを考えることが大切です。

ハルコ：確かにその通りですね。久保田さんに相談する方は、マイカーローンの返済期間をどれくらいに設定しているケースが多いんですか？

久保田さん：借入総額にもよるのですが、3〜8年くらいが多いでしょうか。ハルコさんの場合、まだ30代前半ですから、この先に結婚をしたり、あるいは子どもが生まれたりする可能性も考えられます。もしかすると住まいを購入するかもしれません。そんな未来を頭の中で描いてみてください。人生の節目に大きなお金が必要となった時、マイカーローンの返済額が家計を圧迫するのは避けたいですよね。なので、返済期間はあまり長くしすぎないほうが良い気がしませんか？

ハルコ：そんな気がすごくします（笑）。マイカーローンの返済でも、ライフステージを見据えることが必要なんですね。じゃあ、2〜3年でパパッと支払い終えたほうが良さそう！

久保田さん：いやいや、それは答えを出すのが早すぎです（笑）。以前、ハルコさんの月々の収支を聞いた時、手元にあまるお金は3万5,000円くらいでしたよね？返済期間を短くしすぎると月々の返済額が高くなるので、日々の暮らしにゆとりや楽しみがなくなってしまいます。ある程度の長い期間で月の返済額を抑えながら、勤め先の昇給などで生活に余裕が出た際に繰り上げ返済することもできるので、ハルコさんなりのバランスをよく考えるのが重要ですよ。

ハルコ：な、なるほど…！

ローンの借入残高が将来の人生設計に影響することも。

ハルコ：この機会に、さっきのお話でも少しふれたライフステージについて聞いても良いですか？これから先の人生で、私はどんなローンと付き合っていくことになるのでしょうか？

久保田さん：良い質問ですね！今はマイカーローンが気になるところだと思いますが、今後のライフプランによっては多種多彩なローンと付き合っていくことになります。まず、代表的なのが住宅ローン。ハルコさんが結婚することになった時はもちろん、そうでない場合でも自分の資産や安心できる住まいとして検討する可能性が高いはずです。

ハルコ：ふむふむ…私もいつか家を持ってみたいです。

久保田さん：そして、仮に結婚してお子さんが生まれた時、子どもが大きくなるにつれて視野に入ってくるのが教育ローンです。お子さんが学んでみたいと思っている専門学校や大学がある際、入学金や学費の大きな支えになります。他にも、急な病気やご両親の介護などで別のローンを必要とすることがあるかもしれません。ただし、注意したいのは借入残高。

ハルコ：借入残高…？例えば、私がこれからマイカーローンを組んだとすると、その残高に注意が必要ということ…？

久保田さん：そうなんです。いざ家を買おうと住宅ローンを検討する時、他のローン残高が大きいと、予定している金額を借りられないこともあります。だからこそ自分の収支や生活費に加え、今組んでいるローン返済額、残高がどれくらいなのかをしっかり把握しておかなければ、思わぬ落とし穴にハマってしまうこともあるんです。

ハルコ：それは知りませんでした！自分の将来に影響するかもしれないので、マイカーローンの返し方、もう一度しっかりと考えます！